今年の就職活動の内定時期の問題は”オワハラ”のようだ。
私も採用担当者として5年以上経験があるが、これほどまでにオワハラが問題になったのは聞いた覚えがない。
まず、下記の記事を読んでもらいたい。常見さんの記事で大変わかりやすい。
オワハラとは?
まず、「オワハラ(就活終われハラスメント)」とは何かについて、定義を確認することにしよう。今年、春にYouTubeに投稿された、NPO法人DSS(大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会 代表 辻太一朗氏)による小林史明衆議院議員が出演する「オワハラ」の解説ビデオでは、次のようなことがオワハラにあたると定義されている。要約すると、こうだ。
「企業の採用担当者等が、威圧的と思われる言動や応募者の不安感を煽るような言動によって、応募者に就職活動の終了を強要し、彼らの自由な就職活動を阻害すること」「明確な阻害的行為でなくても、応募者が就職活動の終了を強要されたと感じる言動であれば、これに該当する」
具体的な例を挙げよう。
①他社の辞退を強要する「今、受けている企業を全部辞退すれば、この場で内定を出す」
「この場で、受けている企業全部に辞退の連絡を入れなさい」
などのように、他社の内定辞退を強要するパターン
②他社の選考を妨害する他社の選考に行かせないように、毎日のように面接の日程を入れるなどして妨害するパターンである。
③内定辞退をしようとした人を脅す内定辞退をしようと連絡した人に対して、絶対に入社するように脅すパターン。そして、前述したような、他社の辞退を強要する行動に出る。
これらが代表的なパターンである。もっとも、実際に行われているのは、このようなものだけではない。
実は私もオワハラしていた?!
かく言う私も採用担当者時代に、オワハラをしていたのだろう。
相手がどのように感じるのか?がとても大切な事なのだろうが、
「ウチが第一志望でなければ、最終面接に進める事は出来ない」
「内定が出たからには、他社は断れるよね?」
そのような言葉で、内定承諾率の向上を目指していた。
就活生は「内定」をとることに必死だろうが、
採用担当者も、内定承諾率を上げるのに必死なのだ。
オワハラ、オワハラと言うのはあるが、それが嫌だと感じる企業は、
あなたが行くべき会社ではないと言えるのではないだろうか?
ただ、単純に内定を保持していたいだけであれば、内定をもらわなければいい。
もし、第一志望の会社から内定をもらって、「他社は辞退して欲しい。ウチに決めてくれないか?」と言われたら、とても嬉しい言葉に代わるのだから。
今年のオワハラが起きている原因は?
今年、これほどまでにオワハラと言われている原因のもっとも考えられる点は、就職活動時期の変更だろう。説明会の解禁が3月、面接の解禁が8月。例年の12月説明会開始、3月面接スタートと違い、説明会から面接までが5か月間と例年の3か月間から2か月間も伸びた。
この中で、外資系企業などの経団連の指針と関係ない企業は早いタイミングで内定出しを行っていった。経団連の指針を順守しなければならない企業はどうするかというと水面下で面談を行ったり、座談会を開催したり志望度の維持を続けた。
8月になると1日(土)、2日(日)と必死に面接を繰り広げ、自分たちが内定だした学生にどうしても入社してもらいたと感じ、内定承諾を迫ったのだろう。
問題はここだけではない。大企業が8月から面接を解禁するために6月、7月から内定出しをした、中小ベンチャーや経団連の指針とは関係のない大企業が、内定承諾をせまったのだろうと考えらえる。
「行きたくないなら内定とらなきゃいい」と「内定もっていないと不安」というのが会いまみえてこのような”オワハラ”問題が起きてしまったのだろう。
例年起きているオワハラが、顕著に出たのが今年の就職活動なのだと言える。
8月の2周目となり、内定が出ている人と出ていない人とで明暗が分かれた1、2周目となるが、自分の行きたい企業が見つけられるように一所懸命就職活動を続けてもらいたい。