地方創生について、まとめてみました
日経緊急解説Live!地方創生、これからどうなる?のレポート
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【概要】主催:日本経済新聞社
◇日時 2017年4月27日(木)19:00~21:00(開場 18:30)
◇会場 日本経済新聞社東京本社6階「日経カンファレンスルーム」 参加者40名程度
◇プログラム 講演 「地方創生、これからどうなる?」
◇講師 谷 隆徳(たに・たかのり)日本経済新聞社編集委員兼論説委員
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キーワード:地方創生、ふるさと納税、地域おこし調査隊、コンパクトシティ、道州制
■地方創生とは安倍政権の造語。人口問題の克服を政策目標にした
長期目標 2060年に8,800万人を1億人に維持
14年末に決めた3つの基本目標
・地方への新しい流れをつくる
・地方に安定した雇用をつくる
・若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
■地方創生で政府が打ち出した政策が4つ
1 首都圏にある企業の本社昨日を地方移転(税財政面で支援)→YKKが富山に本社に移転
2 政府機関の地方移転(文化庁は地方移転)→消費者庁を一部徳島に、和歌山に総務省の統計局の準備質がある。霞が関の人が「OK」と言わない。政府の地方への移転は一部にとどまった。
3 日本版CCRC(高齢者の地方移住の推進) →秋田県や埼玉県、豊島区のお試し移住で秩父へ。新潟県の魚沼市など。
4 地方大学の魅力向上策 奨学金の免除制度を創設
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■まとめ
1. 地方創生成功のカギは、補助金ありきではなく、店舗誘致から逆算して計算する事に勝機
2. 地方が抱えていることは、第二、第三の人口減による空洞化ではないか?にぎわいの喪失
3. 今、地方都市がやらなければならないことは、人口をいかに維持するか?という事である。
4. 「迷子の土地」所有者不明な土地も増加。土地に対する価値観が変わり、相続放棄が急増
5. 迫り来る2025年問題 団塊の世代が仕事を終える
6. 都市計画として都市の作り方を中央に賑わいを持たせる設計にする
7. 首都圏への移住は主要都市からら来ている。田舎から東京に来ているわけではない。田舎から主要都市へ出て、主要都市の人が東京に出るサイクルがある。解決策は主要都市での雇用創出
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【参考:地方創生の事例集】
■一躍有名になった地方創生のトップ3
・島根県海士町(アマチョウ) 岩牡蠣、隠岐牛など島をブランド化、移住者が続々
・徳島県神山町 古民家を活用サテライトオフィス続々周辺地域に波及
・岡山県真庭市(マニワシ) バイオマス発電で先行、銘建工業 CLTで木造ビル(合板の木造ビル)
真庭市は20年前からコツコツと続けている。地元の経営者が真庭塾をつくって、やっと今成果が出てきた。
■UJIターンに挑む
過疎着魔剣の長島町 Uターンした若者に「ぶり奨学金」高校になると外に出ていってしまう。出ていくのはしょうがない。ブリの養殖が日本一の町なので、来る人には学費を免除する。漁協がブリ1匹出荷するときに1円寄付する。
■島根県浜田市 シングルマザーを誘致
看護の仕事とセットで。地方だと保育園があまっている。現在は10世帯が移住している。
■地域資源を活かし村おこし
農産加工の生産、バス、水道事業、農業、旅館運営、着地型観光の開発。卵ご飯専用の醤油を
作ったりした。着地型観光:来てもらってから地域を見て回る。ある部分地域に密着してモデルになる。
・青森県田舎館村(イナカダテ)
異なる稲を使って「田んぼアート」それを見に、年間30万人見に来る。稲刈りツアーも開催。
■自治体型連携
都会の若者未就職者をりんご農家へ。都会の仕事がないという人と、人手が足りないという自治体の連携
■岩手県築波町
小泉進次郎さんが、全国の自治体は築波に学べといった。塩漬けの土地を再生。身の丈にあった事業展開。民間合同で、作り上げて大体の形が作り上げられた。
まとめ 地方創生の成功ポイント
地域開発は補助金ありきで考えて、金融機関から融資してもらってまかなっていた。施設を作ったあとにテナントがあつまらなくて、テナント料さげたりして採算がとれなくなったりした。成功している地方創生では、出展してもらえる人からいくらもらえるか、何店舗くらいあるのか逆に考えていって上手くいった。
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■資金も地方へ
・ふるさと納税は政府が考えているよりも、増加した事例。
■地域社会と人口
1ヘクタールあたり40名以上(市街地)、県庁所在地は増えている。5年間に5万人増えている。
県庁所在地は腐っても県庁所在地だが、中心部はそれなりの集積を維持しているが、第二、第三の年は人口密度が低下しているのではないか。
■主要都市でも減っている都市
青森市、前橋市、和歌山市、鹿児島市→このような主要都市でも人口が減っている都市は手のつけようがない。
サービス業の低い生産性→人口の他大都市流出弱い、雇用力の減少
■地方都市の現状と具体的事例(花巻市)
3週間前に花巻市に行ってきた。宮沢賢治記念館があって、駅降りると行く場所がない。町を歩こうと思っても中心がない。昔商店街だったところが300mあるだけ。地元の老舗の百貨店があるが一度潰れて、地元の人が努力なさっている。駅を降りると童話の町なんだと分かる。宮沢賢治記念館いくまでの道も何もない。
花巻駅と新花巻で、花巻駅まで移動すると、国道沿いのロードサイドの店舗が消滅していくのではないか。大型ショッピングセンターが厳しいという事ではなく、人口が減っていく中で外部から人を呼び込まなければならない。その時に、外部から花巻に仕事でも観光でも行って、宮沢賢治記念館にいって、その後に、イオンなどでご飯を食べてくださいと言われても興ざめしてしまう。地元の美味しい料理とか、地元ならではのものがない。また、公共施設やお店の老朽化が進み更新日が近づくが地方自治体に立て直す体力は無い。今、地方都市がやらなければならないことは、人口をいかに維持するか?
■迫り来る 2025年問題
団塊の世代が仕事を終える
車を運転できない高齢者が急増/高齢者の孤立、買い物難民を助長/幹線沿いの大型店の経営にも影響
都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画
・市街化特区 ・居住誘導区域 ・都市機能誘導区域
人口密度を中に移そうという取り組みが行われている。
■青森県弘前市(人口約18万人)、岐阜市 人口40万人 詳細の説明は割愛
コンパクトシティーにするためには、公共機関が必要。地方に行くと、交通手段が必要だというが、皆乗らない。岐阜市ではバスの利用率が向上している。
■地方が抱える新の危機とは?
空き家が急増中 全国で820万戸
野村総研の資産では、20年後には3戸に1戸は空き家に。国が法整備 次自体が公費で撤去へ
相続放置が増えている。
「迷子の土地」(所有者不明な土地)も増加。「土地」に対する価値観が変わり、相続放棄が急増
農地も工作放棄地が増えている。農林省が調査して農地の2割は誰の土地か分からない。
■住宅の再建築率
2014年で9.1%で過去最低。郊外に集合住宅をつくるという事は将来の空き家を生み出すということ。新しい住宅を作るのときは、作る場所を考えて郊外開発ではなく町中につくるべきだ
■地方創生その成果
・地方に「しごと」を作る
目標 20年までの5年間で若者雇用を30万人
→実績2年間で9万8千人
・若い世代の結婚・出産の希望をかなえる
目標 希望出生率1.8
→実績1.46(2015年)
・地方に「ひと」の流れを作る
目標 2020年に東京圏の転入超過数ゼロに
→15年は12万人の転入超に(前年比1万人増)
→政府 東京での大学の新増設の抑制を検討
地方創生について考えるきっかけになりましたでしょうか?私も新潟県出身ですので、どのようにして地域を活性化していくのかについて考えながら仕事に活かしていきたいと思います。